神の見えざる手

サント ラジンダー シン ジ マハラジ

人生には、自分の視野が狭いために、コントロールできないことや不可解だと思えることがしばしば起こります。しかし、神への信仰があれば、人生に起こることはすべて神の御心によるものだと理解し、受け入れることができるようになります。

アーネスト・シャクルトンの旅のメッセージ

1900年代初頭、アーネスト・シャクルトンは犬ぞりで南極を横断する2,100マイルの旅をする夢を見ました。シャクルトンと彼の28人の乗組員は、遠征に出発しました。残念ながら、出航から3日後、南極に向かう船は氷塊で閉ざされて航行できなくなりました。

身動きが取れなくなり、氷が溶けて船が自由に航行できるまで、シャクルトンたちは春を10ヶ月待たなければなりませんでした。春になると、氷は溶けましたが、船が氷と衝突するという災害が起こりました。氷を歩いて渡って外海に向かうことができなかったので、彼らは配給品を食べて、流氷の上で5ヶ月間キャンプしました。

流氷が割れるのを察知したとき、彼らは海流の流れに乗ってその流氷から別の流氷に移動できることを知りました。シャクルトンは、エレファント島まで180マイルの距離を、流氷を横断するために3隻の救命ボートに食糧を携えて乗組員たちを先導しました。
暖かく過ごすために、ボートで濡れた身体を互いに寄せ合いながら、彼らは雪、あられ、みぞれ、雨を勇敢に乗り越えました。

エレファント島は無人で、もしシャクルトンが助けを求めに行かなければ、乗組員全員が死亡するであろうことが判明しました。ジョージア島の捕鯨基地にたどり着かなければならないことを知り、食糧とともに乗組員のほとんどをそこに残して出発しました。彼と他の5人は、一番近くにある有人の基地にたどりつくために、長さ22フィートの最大の救命ボートに乗って南極の最も危険な海を横断しました。

17日後、彼らはジョージア島に到着しました。彼らの救命ボートがあまりに損傷し過ぎていて、先に進むことはできず、彼らは島の基地とは反対側にいました。基地に着くために、彼らは凍った山脈を渡らなければなりませんでした。シャクルトンは乗組員から2人を連れて行きました。彼らは、牽引のためにすり減ったブーツの靴底の底面に救命ボートの釘を使用し、2つのコンパス、いくつかのロープと食糧を持って、凍った山々と氷河を横断する30マイルの旅に出発しました。

36時間後、辛い試練によって痩せこけてこわばった、シャクルトンと2人の乗組員は捕鯨基地に到着し、17ヶ月ぶりの文明との接触を果たしました。

シャクルトンは残してきた乗組員のために救助ボートで戻りましたが、エレファント島に戻ったとき、乗組員は1人も死んでいないことがわかりました。どうやって彼らがそんな困難を乗り越えたのか?と尋ねられた時、シャクルトンはこの旅で、彼らを導く目に見えない力の存在を感じたことを友人に話しました。

積極的に助けを求めて祈り、その助けを受けることもありますが、助けを求めてもいないのに、それにもかかわらず助けが来ることが何度もあります。これらは、私たちが決して一人ではないことを思い出させます。私たちに気づかれなくとも、神の見えざる手は、常に私たちと共にあって、人生の荒波を導いてくれているのです。

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著者サント ラジンダー シン ジ マハラジについて

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